60歳以上世帯の収入と支出 ~住宅ローンの返済は可能?~
総務省「家計調査」から引用したものになりますが、総世帯のうち高齢無職世帯(世帯主が60歳以上の無職世帯)の可処分所得は147,761円(年金収入やその他の収入)で、対する消費支出は207,370円、1ヶ月で実に59,609円が不足しているというデータがあります
●家計調査による1か月あたりの不足額
収入147,761円 - 支出207,370円 =不足額59,609円
この消費支出のうち約7.2%が住居に要する費用になっており、金額にすると約14,930円になります
この14,930円の住居に要する費用の内訳はわかりませんが、仮にこの住居に要する費用が0円だったとすると消費支出は192,440円となり、可処分所得との差は44,679円となります。
●住居費用を0円としたときの1か月あたりの不足額
収入147,761円 - 支出192,440円 =不足額44,679円
この家計調査の統計からすると60歳になったときには、既に生活費が足りない状況であることがわかります
しかも、住居に要する費用がなかったとしても、約45,000円も生活費が足りないのです
●では、年金はいつからもらえるのか
過去の記事で「年金はいつからもらえるか? ~年金支給開始年齢とは~」という記事を書かせてもらいましたが、本日現在において20歳代~40歳代の方の年金支給開始年齢は65歳になっています
現在の60歳の方は、1か月あたりの消費支出が不足していながらも、年金収入によって生活が補填されていますが、これから住宅を建てようとしている若い世代の方が60歳に達した時、年金はまだ支給されないのです
つまり、毎月192,440円が不足し、なおかつ住宅ローンが残っているとその分がプラスして不足となる計算になります
しかも、この不足額というのは年々増え続けているのが現状で、消費者物価2%アップや、消費税増税によって、間違いなく不足額が増えてくることでしょう
年金一つとっても、これだけの不安要素なのですが、これに生命のリスク等、いろいろなことを考えると蓄えなしには将来を生きていくことができないのではないかと思ってしまいます
よって、これから住宅を計画するにあたっては、将来に不安を残さない資金計画が必要であり、なるべく60歳までに完済できる計画が求められるのではないでしょうか
・総務省「家計調査」報告書はこちら(PDF:675KB)(28Pを参照しています)
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